皆さま、7月に入り暑さも日々厳しくなっておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
くれぐれも熱中症には注意し、動物たち(家族)へのこまめな水分補給をお願いしますね。
今回は私、進が担当させて頂きます。
さて今回の知って得する病気シリーズは、”会陰ヘルニア”という病気についてです。
この病気は主に2つの出来事に気づいて病院に来院することが多いです。
①お尻(肛門)の横が腫れている。
②最近便が出にくくなっている。
会陰ヘルニアは、ヘルニア孔から直腸が脱出することで直腸が変な方向に蛇行してしまい
排便困難を呈する病気です。 排便しづらい患者さんはさらに力んでお尻に力が入るので
穴が広がり、会陰ヘルニアがさらに重症化していくという悪循環のサイクルに陥ってしまうことになります。
治療は、まず内科治療として便の性状を柔らかくすることから開始します。
これにより、お尻に力を入れずにスムーズな排便ができるようになれば、
会陰ヘルニアの症状をうまくコントロールすることが可能になる場合もあります。
しかしながら、内科治療を継続していても排便困難が改善されない場合には、
外科治療による会陰ヘルニアの整復をする必要があります。
手術には様々な治療方法が考案されていますが、当院では自分自身の筋肉を利用して
開いている穴(ヘルニア孔)を修復する ”内閉鎖筋転位術”にて対応しています。
稀に病気が重症の場合には、状況に応じてメッシュの人工膜を補填したりする場合もあります。
この病気の外科治療は経験も必要で、手術後の再発率が高い病気としても知られています。
写真は手術前です (左会陰部が腫れているのが分かります)
写真は手術後になります。(腫れもなくなりヘルニアが修復されています)
お尻の腫れ、排便しづらいなど、気になる症状が出た場合には
かかりつけの獣医さんにご相談ください。
それではまた次回。